Gap現象
= Gap phenomenon、supernormal conduction、ギャップ現象
心房期外収縮は、blocked APCの形をとることもあれば、変行伝導の形をとることもある。一般的に、早期に心房期外収縮が起これば心室の興奮はブロックされるはずですが、それが当てはまらないことがありました。
調べてみると、gap現象でした。
機序はあれこれあるようですが、深追いして考えず、こういった現象もあるという程度でいいのかもしれません。
■Gap現象とは
通常は、心房期外収縮が生じると、心室に伝導されるときとブロックされることがある(blocked APC)。一般に、RP’間隔(先行するR波とその後の期外収縮のP’波の間隔)が、短ければ短いほど心室への伝導はブロックされる。
gap現象は、早期刺激の連結期(RP’間隔)が短くなると、伝導がブロックされるが、さらに連結期が短くなると、伝導が回復する現象。
Type I
Type II
■分類
Type I → 電導遅延が房室結節で生じるとき
Type II → 電導遅延が脚で生じるとき
■gap現象がなぜ起こるか
遠位部より近位部の不応期が長いことや、遠位部が不応期を脱するのに十分な電導遅延が近位部に生じることが必要(CCUレジデントマニュアル第1版 p427)。
Type Iでは、心房期外収縮の伝導が房室結節で遅延する結果、その遠位にあるHis-Purkinje系が不応期を脱している場合に生じる。
Type IIでは、心房期外収縮の伝導がHis-Purkinje系の近位で遅延する結果、その遠位側に位置する脚の不応期が不応期を脱している場合に生じる。